2002年4月のつぶやき



その2

大学時代の恩師であり、また私の尊敬するピアニストの湯口美和さんが、現在お住まいのスイスから一時帰国してリサイタルとCD発売のキャンペーンなどをなさった。二枚目のCDは、シューマンのソナタ一番と子供の情景。三年前に出たクライスレリアーナも素晴らしくて話題になったが、今回のリサイタルでも湯口美和の世界が広がって、本当に感激した。硬派でそれでいてしっとりしていて奥深く、神秘的とも言える素晴らしい演奏だった。このコマーシャルな東京の聴衆には地味すぎるかもしれない独特な演奏会だったけれど、私は誇らしかった。

はっきり言って、大学時代の私は悪い生徒だった。ジャズだのロックだの現代音楽だのに興味が尽きず、練習して行かないので、湯口先生にはいつも呆れられていた。厳しく忠告される度に「普通に芸大でてもしょうがないじゃん」と反発していた。でも反抗しながらも先生が単なるそこらの音大の先生とは違う事は、傍らでふと弾いて下さるピアノでも十分に分っていた。
二年生の時だったか、聴きに伺ったリサイタルが素晴らしくて、日ごろ反発していたことを反省したものだった。結局私は四年間かなり変わり者な芸大生として過ごし、卒業と同時に妙な企画バンドでライブ活動まで始めてしまったから、湯口先生の前で真摯にクラシックに取り組む姿勢を見せしないまま学生時代が終わり、先生は先生で日本の大学で教えることにそう興味もないのよねと、日本を引き払ってしまった。

そんな学生時代から十数年経った訳だが、三年ぶりの湯口美和の帰国リサイタルを聴いて、ああ、この人に自分はやっぱりかなり影響を受けているんだなと思い知った。

フレーズの作り方、音色の響かせ方、呼吸、、、。

先生の帰国前に夕食を御馳走になった。六時間ほど話し込んだ。
学生時代には話せなかったこと、今だからできる音楽談義など、楽しい一時だった。
そんな素敵な尊敬すべきピアニスト、湯口美和のシューマンのCDはナミレコードから出ている。




その1

三月はコンサートもいろいろと続いたし、その後の
某ピアノコンクールのレクチャーでの各地巡りも終わって、一息ついている。

30日のカザルスホールでの昼夜二公演では、かなり渋い重いプログラムで、
ジャズの寺井尚子さんのグループの爽やかなステージとは対照的だったろうけど、
未だに日に何通かずつ「初めて聴いたけどファンになりました」とか、
クロアキネット経由でメールが届く。

それを私はせっせとヴァイオリンのCHICAちゃんに転送している。
こういう新しい出会いのメールはCHICAちゃんも励みになるみたい。

みなさん有り難う。