2002年8月のつぶやき



その4

18日、大阪の帝国ホテル内のライブレストラン「パタパタ デ ラ サルサ」でライブ。
大阪は高校3年までいた地元。今回は子供の頃から本当にお世話になった
ヤマハ千里店が、特別に良い状態のピアノを搬入して下さった。
私は18歳から東京で一人暮らし、その後4年前に父の転勤で両親も妹も
東京に引っ越してきた。
以来、私は地元大阪と言えども仕事でしか行くことがなくなったわけだが、
やっぱり親友やお世話になった先生方ご近所さん、皆大阪なので
東京でのコンサートに比べてどうしても里帰りコンサート気分が強くなる。
今回、帝国ホテルということもあって、母も一緒に大阪に連れ出すことにした。

前前日に母から私のマンションにファックス。
「あなたの今度演奏する場所の名前はちゃんと覚えました。
“バタバタ出る猿さ”
ドタバタ慌しくしているあなたにぴったりの名前ですね。」

ぶ、、、っと思わず吹き出した。
“バタバタ出る猿さ”、、という美味い語呂合わせは
ライブ中のトークでも引用させてもらった。

ライブはまったりしたソロでなんでもやってもいい、、、ということで、
おまけにバースデイライブと銘打っているので
何でもありありバージョンを試みてみた。

2月にリリースしたファイナルファンタジーソロピアノコレクションの
中から即興も入れて気まぐれに弾いたり、ヒナステラや
スイスで演奏したシェーンベルクも弾いてみたり、
ピアソラやラ・クンパルシータなども。
そして、客席からの飛び入りは、大阪のパワフルなピアソラ専門
ピアニカアンサンブル「ピアソリッシモ」の皆さん。

演奏終了後、お店で乾杯。
思いがけず高校時代の担任の先生や同級生、
幼稚園の頃のお隣組の皆さん、そして九州や四国から
はるばる聴きにいらしてくださった方もいて大感激だった。

差し入れのシャンパンやワインやどぶろくまで
お酒がかなり沢山あったんだけど、友人、スタッフ、もちろん私ものん兵衛で、
ぜーんぶ帝国ホテルの夜にキレイに消えてなくなってしまった。



その3

モンツアのアパートから列車で20分ほどでコモ湖に着く。
このあたりから列車は観光客などでドイツ語イタリア語が入り混じり始め、
そのまま1時間も乗るとイタリアとスイスの国境となる。
このあたり一帯のティチーノ地方は「スイスの中のイタリア」と言われ、
湖と山に囲まれた上品な避暑地だ。
ここの映画祭は世界的にも有名だが、映画祭の前の
7月下旬から二週間は「ティチーノ・ムジカ」という音楽祭が行われている。
ドイツやイタリアのクラシックの各楽器の名手、名教師の講習会のほか、
作曲や現代音楽の演奏のマスターコースやオーケストラのコースもある。

マジョーレ湖畔のアスコーナではメッツエーナ先生もピアノのコースを
受け持っておられ、今回日本から私の生徒たちも数人参加した。
私は二日に一回、モンツアから列車で通い、生徒たちは修道院の
最上階の可愛らしい部屋に泊まり、各国の学生と共同生活。
食事は修道院の庭で栽培された野菜をシスターが調理してくれるらしく、
メンザでは学生たちがドイツ語イタリア語英語ちゃんぽんで
わいわい言いながら食べていた。
日本から来た私の生徒たちは、最初緊張気味だったが、
日毎に表情が開放的になっていった。
修道院の協会やその近辺では毎晩のように講習会の講師たちの演奏会があり、
週末にはメッツエーナ先生もブラームスのピアノトリオなどを演奏された。
これがまた本当に素晴らしい演奏で、
最初のピアノのソロの入りから、ため息が出てしまった。

私もシェーンベルグとベートーヴェンでレッスンを受け、
協会のコンサートで弾かせて頂いたあとは、
この音楽祭の指揮者のベルナスコーニ氏の別荘で
優雅にボートに乗ったりして十分夏休み気分を味わった。


よく遊び、よく練習し、良く食べたもので、
二週間こんな生活をしてしまうと、日本に戻ってさあお仕事、、、と
言ってもまだヨーロッパ気分が抜けないものだが、
成田に着いたその足でオーボエの広田智之氏とリハーサル。
翌々日は目黒区民センターで広田氏のリサイタル。
湖での余韻を楽しむつもりでイタリアでバーゲンで衝動買いをし、
教会で本番をしたその衣装で演奏した。



その2

ところで、私ごときのピアニストでは、楽器とともに飛行機で移動するわけにいかない。
南イタリアのぺスカーラで、ポリー二御用達の名調律師・ファッブリーニのピアノサロンで
触った楽器に一目ぼれして、日本にそのピアノを連れて帰ってきてしまって、
もう2年たったわけだが、そのピアノを東京にお留守番させて、
飛行機にのってモンツアのアパートに来るわけだが、
このアパートにはピアノが無い。
譜読み音チェック用に電子ピアノがあるだけだ。

それで、練習はどうしているかというと、
ある素敵な音楽愛好家のご夫婦の持っているサロンを
貸して頂いて頂いている。
それが本当に素晴らしいお宅で、30年程前の
私の好きな時代のスタインウェイがあって心地よく響いて、
70人くらいなら余裕で入れる。
毎月のようにサロンコンサートや映画鑑賞会なども開いているらしい。
ピアノのブルーノ・カニ-ノ氏やチェロのマリオ・ブルネッロ氏も
時折その会に遊びに来て演奏して帰るそうだ。

ちょっと2時間ほど、、、のつもりが
昼すぎからだらだらとさらって、
厚かましいかなーと思いつつもいろいろと練習しておきたい心配な
曲があって、延々6,7時間ピアノの前にいたりする日もある。
夕飯の時間になってしまうと、「食べていくでしょ??」とご夫婦に誘って頂いて
練習ばかりでなくちゃっかり美味しいものにまで恵まれてしまう。

先日なんて、からすみのスパゲッティが出てきて
最高に美味しかった。


その1

ミラノは私が到着した翌日から一斉に夏のセールが始まった。
思わずふらふらとショーウインドウに引き寄せられでしまうのだが、
ユーロになってからの便乗値上げと円安で、3年前ほどのお得気分は味わえない。
それでも、十日後の本番用の衣装になりそうなワンピースをみつけてしまい
衝動買い。